米国株式市場が反発したのはなぜか?
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今後の相場
米国株式市場が大きく調整した昨年末から一変、今年に入ってから急速に米国株式市場が下落幅を縮小させた要因は、パウエルFRB議長のスタンスの変化であり、その後に続いた米中貿易協議や米国政府の一部閉鎖に関連した政治リスクの後退だと考えられます。パウエルFRB議長は昨年12月の段階で、金融引き締め政策を堅持する方針を明らかにしましたが、年明けには一転して利上げについては当面様子見とし、FRBのバランスシート縮小についても早期終了を示唆する発言を行いました。さらに、メディア報道によって米中貿易協議の進展に対する期待感が高まったことや、米国政府機関の一部閉鎖の解除と再閉鎖の回避が決まったことなども投資家心理の好転に影響したものと考えられます。
しかし、マクロ経済指標や企業業績の見通しは下方修正が続いています。アトランタ連銀が算出する2018年10-12月気の米国実質GDP予想値は12月の小売売上高の下振れによって、2月6日時点の+2.7%から2月14日時点は+1.5%へと大幅な下方修正となりました。また、S&P500企業の2019年度予想EPS成長率も昨年12月末時点の+7.6%から、直近2月15日時点の+4.6%へ下方修正されました。つまり、足元の株価上昇は、一時的な投資家心理の好転によるバリエーションの上昇が主な要因であり、企業業績見通しなどのファンダメンタルズの改善ではないという事です。
S&P500指数のRSIは2月15日の時点で+39と急激なモメンタムの回復を示しており反動安が警戒される局面に入りつつあります。ファンダメンタルズが悪化する中、米中貿易協議や米債務上限問題、ブレグジットなどの政治リスクは依然として残っているため、過度な楽観は危険でしょう。
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