直近(2018年12月)の国内公募投資信託の動向
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直近の国内証券会社の動向
1月も中旬を過ぎました。富岡です。今朝方はイギリス議会でEU離脱法案が圧倒的多数で否決されました。事前の世論調査がいろいろとメディアを通じて周知されていたおかげか相場は思ったほど動揺しませんでしたが、日本時間17日4時からはメイ首相の不信任決議もあり依然として予断を許さぬ状況。マーケットはハードブレグジットを織り込んでいないのではないでしょうか。ちょっと先行きが心配になります。
さて、個人投資家にとって身近となった投資信託での運用ですが、直近2018年12月の国内公募投資信託の動向がどうなっているのでしょうか、見てみたいと思います。
資金の月刊流入額 運用会社 ファンド名 純資産 設定年月
1位 183.3憶円 アセットマネジメントワン 日経225ノーロードOP 1979.3憶円 1998.8
2位 170.1億円 東京海上アセット 東京海上・円資産バランスF 4823.4億円 2012.11
3位 121.7億円 アセットマネジメントワン MHAM株式インデックスF225 1682.4億円 1985.10
4位 106.9億円 ゴールドマンサックスAM GSインターネット戦略F・Bコース 2403.1億円 1999.11
5位 85.9億円 野村アセットマネジメント 野村ACI先進医療Bコース 538.5億円 2018.10
6位 82.9億円 日興アセットマネジメント インデックスF225 2093.5億円 1988.6
7位 77.6億円 ピクテ投信投資顧問 ピクテグローバルインカム株式F 5428.9億円 2005.2
8位 73.8億円 東京海上アセット 東京海上・円資産バランスF 1157.6億円 2014.11
9位 71.0億円 三井住友トラストAM J-REITリサーチオープン 2669.6億円 2005.1
10位 70.5億円 ピクテ投信投資顧問 ピクテバイオ医療品F 426.8億円 2004.10
12月の資金流入額トップはノーロード日経225オープンとなりました。時代の変化を感じます。1位になった日経225オープンはノーロード型の投資信託。主に地銀やネット経由で取り扱われています。証券会社でも取り扱っていますが主な購入層はネット経由であると思われます。入口手数料なしの投信は従来型の証券マンにとっては日々の数字のうまみは無くあくまでフッキング商品。個人投資家が年末の日本株下落局面でネット経由で買い入れたものと思われます。
大手証券会社が会社主導で新発物を買い入れいていると思われるのは上位10銘柄では2018年10月設定、野村AMの野村ACI先進医療インパクト投資Bコースのみです。当方が野村証券に在籍していた頃とは隔世の感があります。もはや大手証券がマンパワーで自社商品を単品販売する時代ではなくなったのでしょうか。
ネットバブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災を経て我が国の個人投資家もそれなりに学習したのでしょう。それでもまだ毎月のように新発投信が生み出されてそれをノルマ営業で埋めていく販売習慣は健在であります。
今回特徴的なのは設定年月が2000年未満の銘柄が4本ありうち3本がインデックス225である事でしょう。コストが安く、相場が大きく崩れたときには比較的買いやすい商品ですね。しかも、多くのアクティブファンドがインデックスに完敗している状況からすると賢い行動と言えるのではないでしょうか。
ただしこれがもし225でなくNYダウやS&P500指数ならば長期的には大きな差になるのではないでしょうか。
1989年末 日経平均株価 38915円 → 現状 20442円 およそ半分
〃 NYダウ株価 2753ドル → 〃 24065ドル およそ9倍
日経225はかつての銘柄入れ替えの失策で連続性が無いとの批判もありますが単純比較すると大きな差です。
これはよく比較される例ですが改めて見ると恐ろしい差です。また、GDPはこの30年間で下記の通りです。
GDP(名目USD)
1989年 日本 3兆540億ドル → 2018年 5兆700億ドル およそ1.6倍
〃 米国 5兆6410億ドル → 2018年 20兆5130億ドル およそ3.6倍
以前は失われた10年という言葉が我が国にはありましたがこれを見る限りでは失われた30年と言っても過言ではないでしょう。日経225は身近な株価指数で観察もしやすく投資対象としても流動性も十分で個人にとっては取り組み易い投資対象といえます。401Kの積立先にしている方も多いでしょう。
ただし長期的な投資対象として225だけで良いのでしょうか。これからの運用はコストの高安だけでなく投資対象に関しても柔軟に考えていく必要があると言えます。極めて初歩的な内容ではありますが、直近の国内公募投資信託の動向と絡めてご案内いたしました。またよろしくお願いします。
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